セミナー資料:01リアルな中国事情

アイ・ビー・デザイン株式会社 ─ 飯沼明夫

貴重なセミナー資料を公開!

2012年4月20日に開催された第一回セミナーでの講演内容から一部を公開。
中国進出をお考えの飲食店経営のみなさまにとって、リアルな役立つ情報です。

01
中国を知ること! 
そして「自分の決断・仲間を信じる」ことで
夢の扉が開く。

アイ・ビー・デザイン株式会社
代表取締役 飯沼明夫

長く中国を見ていますが・・いつでも新しい発見があります。
ところが・・経験はなんの・・道しるべにもならないんです。
想像しない事、びっくりする事の連続で・・いつも自分が試されているんでは?と思うのが現状です。
でも・・今日はセミナーです。
リアルな話を中心にお話していきたいと思います。

自己紹介

日本で、主に結婚式場や飲食店の企画設計・施工を1990年より行ってきました。
海外へは、1997年にアメリカのデザイン事務所と業務契約し、デザインや家具を入れ始めました。洗練されたデザインを日本に繋ぐ仕事が主でした。

家具はアメリカから・バンコク、中国の順番で輸入・渡航基地を移動してきました。

中国に最初に行ったのは2000年でした。
中国から石、タイル、家具の輸入の仕事でした。

当時物価が安くても、クレームたらけだったと覚えていますが、度重ねるビジネスで、中国側も徐々に日本の考え方を理解し、近年では遜色ないものが可能になりました!

2010年から企画・デザインの業務が、本格的に瀋陽・吉林省・上海・北京と北部を中心に活動しました。
そこで、中国政府からの依頼と知人の勧めもあって、中国には、多い時には年間200日近く滞在しました。
・航空機ワックスの企業の中国進出
・断熱塗料の販売に企業の中国進出
・瀋陽市の川沿いのクラブハウスの企画設計
を行いました。

今回は、延吉市のレストランと、同時に設計したジャポナイズをご紹介したします。

1:建築の考えからの違い

スケルトンとインフル、躯体と仕上げ、設備は…全く別なんです。
建築は自分の物!! 
で…治外法権? 日本の建築基準の知識では、あまり役に立たない!

中国の法規について…すこしだけ。
ソ連の法律の応用です。工程師が…日本で言う建築士ですが、1戸建以外はあまり気にしないで良いです。
少しだけ言うと「基準化法」に基づく
国家基準・業界基準・地方基準・企業基準
から交付された「条例」に寄って成り立っています。

この後に作られた「条例」は15万条文以上…あります。
この多くの課題は最近、この「規定」を公布しました。

「建設工事強制基準実施監督規定」?です。

この「強制条文」によって、罰則・処罰を規定して初めて…国際社会への第1歩になったわけですが…

実際の設計としては、
まずは、日本で基本的な 構想・企画を立ち上げます。
物件候補を探し…基本プラン・投資コストを想定し、現地視察調査し、不動産契約そして、工事の為の申請業務に入ります。
この時には、日中の設計集団を組んで基本構想から・申請、工事に以降していかなければ…成し遂げません。

この部分においては、優先順位は…「独資企業化の行動!」

実際には、上海・北京で戸建てを建築する日本企業は、レストラン業界では皆無です。
私たちは、中国側の工事店の監理や技術指導が中国においての仕事です。

でも…そこまでいくまでには、
基本計画の策定と投資コスト・出店候補地選びが重要です。

飲食店はやぱぱーー保健所!でも???
保健所の法律は…国で定めているが…?! 
場所によって全く変わる。
…担当者の考えで大きく変わる。袖の下の要求や、接待飲食・高級たばこは当たり前!

今の中国の都市部以外は、昭和の時代と思ってください。
まず、肉は部位別じゃない…し、「肉の処理室」が必要な場合が基本です。
食材の基本、流通の中味が大きな原因です。
レストランには、食品が入ると「ごみ取り!まぁ解体」。次は「下ごしらえ」「調理」「配膳室」。そして…、運ぶ人間が料理を受け取る部屋…そして運ぶ人間は料理をお出ししない!! 出す人は注文を受けた人の専門なんです。

そして…トイレの数の指導には…、未だに理解が出来ません! かなり、多いんです。
聞くたびに違うし、結果的には…うやむやで…? 一体コンプライアンスは??と思う限りです。
それと、しょっちゅう、停水や停電が起きます!!
使う水をタンクで貯水するエリアも多いです。

あと、最近なんです。ファストフードが今の形態を認められたのは。
実は中国って…、ホールには管理する黒服、サブ黒服、サービススタッフ、運ぶだけの配膳人が居るんです。
一人で…何役もは基本的に出来ない人種でして…。

でも…意外と
スプリンクラーや避難通路は真面目に指導!
非常用のドアは専用ドアが売っている
それが・・意外とみっともなく目立つ!
2方向避難とか・・言うし。

そこだけは、日本とおなじか? 

それだけ…火事による被害が大きいんでしょう。

看板等の届け出や規制は…町によって違う。
原則違法地帯だが…
まちがい無く道路に出てるし、人の窓にまで入り込んで付けちゃう!!うかうかしていたら…大変な事に。

2:物件探し

ここで苦労話を、しましょう。
延吉のレストランの不動産探しは…4回決定していました。
1、前もって中国からの図面の面積は? 賃貸面積?
2、次に平面も決定し、契約しに行って昨日売れた!
3、次に貸主共…食事し纏まったが?!中国人スタッフの反対!!その地区では…繁盛しない!
4、今度は親日中国人が自分のお金で1フロア買うから・貸す!!でも・結果的には高かった!

建築ラッシュ・成長期の経済は契約機に凄い値上げ!

という理由で、情報が大混乱です。今日の決済を促される事は多いです。
しかし、不動産業者も殆んど信用を持てない。
物件は、今日明日の話しばかりで、落ちついた交渉が出来る状態では無い!のが実情。
だから…責任者が自ら中国に渡る以外にチャンスはありません

設計の立場からいえば…まず面積をしっかり認識する。 ビル管理者から頂いた図面での基本構想は良いのですが、実施工事は現場再寸取りしたものでないと、駄目です。
それ以外に空調機の置き場は注意したい!工事も営業中で専用のEVなどは無い!PSも設備のPSか?排気PSか等は注意深く聞く!…確かめる!

面積の考え方の違いが大きい!!
共有部も割合面積で賃貸面積に入る場合が多い。多い時は60%が実質面積だったりする。
工事方法の違い。欧米のCMスタイルに似てる。
工事契約も違う。前金!
図面を参考!!?? かなりアバウトです。
仕様もへったくれもない!同等品は当たり前!
位置出し、墨出しは、レベル出しは…簡単に? 
壁位置も…だいたいです。

3:設計を現場に落とす為には

・効果図とは?
図面が欲しいと…言われ、書いたのに…全然見ない。
図面は要らない?…効果図だけで…仕事は出来る。
図面と効果図は、同等品…。

・場所にとっては面積によって保健所基準が大きく違う。
ある地区では、150㎡以上を超えるとかなりやかましい。

・質量届け出、及び審査が完了しないと工事着所出来ない。

・図面指示でも…日本の工事を経験し、工事ランクの高い工事店を、設計集団と実施工事の管理集団でサポートして、進める事を推奨します。

 

先日も、工事中に…
ガラスの棚を設計。骨格はステンレスの鏡面。
でも…大工さんが来て木で骨格を作り始めた!!

翌朝いきなりのレンガ壁が出来上がっていた

スラブの防水は…こんなもんで良いの?

大理石のカウンター。出来上がったのは…御影のカウンター!!

ビルのサッシュも撤去し…取り換えた!凄い。

天井の高さはばらばら…。

習うより…慣れろ!も必要です。中国流の考えは…黙認する時もある。
非常に地代が高い大都市部では、従業員の休憩所は殆んどの飲食店はありません。
その時には客席で皆でご飯でも…。

習慣の違いで…設計は大きく変わります。

中国では…
・個室にトイレは付いているのが当たり前。
・料理よりも高いワイン・ウイスキー。
・料理はお酒のつまみで…やっぱり最後はチャーハン?風習を考えないと。
・日本企業だと日本料理が有るはず!と思うらしい。
・予約客で夕方から…始ります。開店時間は早い。
・VIP用には個室専用裏口を用意。
・なぜか…TVが殆んど付いている。
・宅配できる料理は…安い料理!と、思っている。
・ハンバーグは高級料理!
・日本より…1組の人数は多いが…場所にもよる。

4:国・人種の違いによる錯覚

日本企業は、外国企業なので…国内企業とは…扱いが違う。コンプライアンスや対応は極端に違う。
中国北部は反日感情を持つ層が年配者に…なってきた(変化)

教育も…違う! 
コミニュケーションで…酒飲み?
厨房の物を黙って食べたり…持って帰る
残業をするのは…日本人だけ!
「大丈夫!」とは…、やる気を表す表現。
「問題無い」とは…、指示に近い!と、思っただけで、根拠は無い。

5:信じた事は、起こった事、見た事だけ!

人の話はその通りとは…思わないこと。
家族と…そうでない人にまず分類。
間違っても…非は認めない文化。
意思・考え方の硬化度は…高い。柔軟ではない。
反面、一端信用されたら、扱いは一変するんですが…
妥協もしないし…へりくだるのは…
階級が低いと認めた事になるよと、子供のころから親が教える。
食事は外で食べる習慣は根強いし、なんと言っても人口が多い。夜中まで毎日は、日本のお祭りのようです。

成長過程において、日本から学ぼうとする若い人は年収やスキル・文化音楽に憧れます。
最初は日本人で一杯のお店はやがて中国人で一杯になります。私たちは進出し、流行を作り、やがて文化となる。 まず一歩です。自分を信じて…行動し、成功するまでやり遂げる決意に、賛同し私も是非に仲間に入れて頂きたいと考えます。

■この原稿は、2012年4月20日 中国・進出・飲食店第一回セミナーで「中国の飲食店設計」として講演いただいた飯沼氏のトークをまとめました。

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